「遺言の日」って知ってますか?

 先日、「日本財団」が毎年1月5日遺言の日と定め、日本記念日協会に登録されたことを発表しました。正月は家族一同が集うこともあり、改めて家族のことを思い、気分も新たに財産や祭祀の承継のことを見直す機会にもなると思います。そこで、1年の計を立てるときに人生のハッピーエンディングストーリーも考えてもらうため、正月早々のこの日を遺言の日に定めたものと理解できます。1月5日にしたのは、1・5をイ・ゴンと読む語呂合わせからですが、実はこれまでにも遺言の日は別にあったのです。たとえば、「日本弁護士連合会」は、毎年4月15日を遺言の日と定めていました。4・15をユ・イゴンあるいは、ヨイ・イ・ゴンと語呂合わせしたもので、時期的に確定申告を済ませて間もなく、自分の財産状況も十分把握している間に、財産承継のことなどを考える機会にという発想から定められたものと考えられます。また、「りそな銀行」は、毎年11月15日を遺言の日と定めています。これも11・15をイイ・イゴンと語呂合わせたものです。同銀行は、その日から11月22日の「いい夫婦の日」までの1週間を夫婦の遺言週間とも称しているようです。
このように、やたら遺言の日が定められているように見受けられますが、それも日本人がまだまだ遺言を書く習慣が乏しく遺言の意義を十分理解していないため、国民に広く遺言の意味を再認識させ、遺言を書く習慣を作らせようとの狙いがあるからだと思われます。遺言の日というものが、遺言の重要性を理解させ、遺言が遺産相続の争いを防ぐ有効な手段にもる上、遺された者にとっては相続手続きも簡単で便利で非常にありがたいものであるということを国民に広く浸透させることができるいい切っ掛けになるのだったら、それは、いくつあっていいものと思います。いっそ毎月15日を遺言の日とし、もっと遺言に親しみを持ってもらえるようにすればなどと思っています。
そんなことで、次のような遺言暦歌(いごんこよみうた)を考えてみました。いかがですか。歌の意味がよく分からないようでしたら当役場にお越しください。

遺言暦歌

1月       1年の 初めによく練る エンディング

2月       筆不精 それなら頼みは 公証人

3月       見直しの 時期や要否も 見極めて

4月       よくここまで 気配り嬉しい 親の愛

5月       公証人を 訪ねて 詰めを 怠らず

6月       睦まじき 仲にも礼儀の 遺言書

7月       仲の良い 関係壊さぬ 思いやり

8月       やっぱりね 人柄の偲ばれる 遺言書

9月       苦労した 甲斐も報われ 目も潤む

10月   父さんが 最後に示した 羅針盤

11月   いい夫婦 片翼欠けても 無事着地

12月   自由に書く それが遺言の 基本形